母子家庭になる時、多くの人が気になるのは、子供をちゃんと育てられるのか?だと思います。
金銭面の課題も気になるところではありましたが、それよりも私が気になったのは、精神面での影響です。
母子家庭になったあと、私はどうやって子供に接していけばよいのか。どうやったら、両親揃っている子に変な劣等感を抱くことなく大きくなってくれるのか・・・そんなことばかり考えていました。
「うちはうち、よそはよそ!」とさっぱり切り分けてしまえば、別に悩む必要なんかないんです。そういう母親のほうが、楽しい母子家庭を築けるのだと思います。
分かっていはいるんですけどね…じめじめした性格の私には到底できない生き方なので、「とりあえず知識を!」と思い、母子家庭育児の指南書から、児童虐待の分析本まで読み漁りました。
その中で参考になった本を紹介します。
児童精神科医の佐々木正美先生が書かれた本です。タイトルだけで、励ましてもらえる本です。なんと帯は俵万智さん。「目次を見ただけで励まされすぎて涙が出た」とコメントを寄せられています。俵さんがシングルマザーなのを、これで初めて知りました。
この本に書かれている内容で印象的だったのは、
・社会のルールを守れる子供に育てたいなら、子供を無条件に受け入れて、たっぷり褒めて甘やかしてあげること
・食事は子供が食べたいものを出すこと
・親が他の人や社会とかかわっている様子を、子供にも見せること
というところでした。
1つ目は、父性と母性のお話。
社会のルール=父性、褒めて甘やかすこと=母性という区分けになっているようで、父性は保育園や学校で十分に与えられるから、家庭では母性を意識して与えて、バランスをとったほうが良いようでした。
2つ目は、子供が家庭を居心地の良い場所だと思えば非行に走らないというお話。
「あなたの好物だから作ったんだよ」とか「朝ごはんはパンがいい?ごはんがいい?」とか、家庭の中で「自分」という存在が何かに影響するんだ!ということがわかると、家庭を居心地の良い場所だと感じて、家にちゃんと帰ってくるようになるようです。チームのメンバーとして認識され、意見や存在を求められる嬉しさ、みたいなものでしょうか。
3つ目は、親の人間関係が豊かであると、子どもを見守る人が増え、「見守られている」という状態が子供を安定させるというお話。
本来、子育てはコミュニティーで行うものであり、「たくさんの人が子供を見守る」という状況がどれだけ子供に良い影響をもたらすかということでした。
もっともっと、いろいろな側面からひとり親家庭の悩みにしっかり答えてくれています。
全体的にとても優しい語り口で、それほど文章量もないので読みやすく、文章も簡単なのがさらに良い!
あー最近子供とうまくコミュニケーションがとれていないぞ、とか、最近イライラしているぞ、というような時に、さっと読み返せて、「いかんいかん」と思わせてくれる本なのです。
(このブログを書くために、佐々木先生のwikipediaを読んだのですが、6月にお亡くなりになっておられました。発達障害の研究もされていたようなので、そういった面でも多くのママパパの支えになっておられた方なのではないでしょうか。)
感化された!と紹介しているものの、読み返すたびに、毎回、「あぁ、またできていなかった」と思うくらい、日々の生活の慌ただしさに佐々木先生の提言はかき消されています。普段はほぼ、忘れています。
そんな適当な感化レベルではありますが、『子供の意思を尊重すること』という点は心がけて生活したいなぁと、ゆるく実践しています。
○○が食べたいとか、○○に行きたいとか、叶えてあげられることは、できるだけ対応するようにしたり、
何が食べたい?どれが欲しい?もできるだけ聞くようにしたり。
・・・当たり前かしら?意識してやることに、意義があるんですよ。たぶん。
まぁ、今子供は3歳で、イヤイヤ期の真っ只中でもあるので、要望を聞いていたら何も進まないし、適当に子供をなだめて、終わらせることもありますけどね。時間ないし、やらなきゃいけない事がたくさんあるんだから仕方ない!とか自分に言い訳しつつ。
そんな毎日ではありますが、私と子供との関係性に、どんな内容が含まれていればよいのか?を、気になった時に確認できて、己を振り返る機会があるだけでも、心の支えになるもんです。
もしよければ、ぜひ!